電気工事の下請け単価は、技能の差だけで決まるわけではありません。同じ配線工事、同じ分電盤交換でも、どの構造の中で請けているかによって手元に残る金額は大きく変わります。この記事では、単価が決まる仕組みと、上げるための現実的な打ち手を整理します。

電気工事の単価は「3つの層」で決まる

  1. 工事そのものの難易度 — 屋内配線か、分電盤の載せ替えか、エアコン専用回路の新設か。作業時間と技能要求がベースになります
  2. 取引の構造 — 元請け直か、二次・三次下請けか。ここが単価に最も大きく影響します
  3. 元請けから見た頼みやすさ — 手戻りがない、報告が速い、繁忙期に動ける。これらは継続発注と優遇単価に直結します

多くの職人・工事会社は①だけで単価を語りますが、実際に金額を決めているのは②と③です。

単価が目減りする4つの構造的な理由

① 重層下請けによるマージンの積み重ね

元請け → 一次 → 二次 → 三次と流れるたびに、各社の管理費と利益が抜かれます。末端に届くころには、同じ工事でも金額が相当に削られています。技能を上げても構造が変わらなければ、この目減りは埋まりません。

② 材工の扱いが曖昧

材料を自社手配にしているのに、その分が単価に十分反映されていないケースは珍しくありません。材料費の高騰局面では、材工込みの単価を据え置かれること自体が実質的な値下げになります。材料は元請け支給なのか自社手配なのか、支給ならどこまでかを最初に明確にしておくべきです。

③ 追加工事を飲み込んでしまう

既設の配線が想定と違った、壁を開けたら別の作業が必要だった。こうした追加を「まあいいか」で処理していると、年間では相当な金額になります。追加が出たときに誰がいつ判断するかを取り決めていないことが、飲み込みの最大の原因です。

④ 移動時間が単価に含まれていない

片道1時間の現場と片道20分の現場では、同じ日当でも実質時給が違います。遠方現場が多い取引先は、額面の単価が高くても手残りが悪いことがあります。

手間請けと一式請け、どちらが有利か

一概にどちらが有利とは言えません。性質が違います。

  • 手間請け(常用) — 日当で精算するため、読みやすく資金繰りが安定します。想定より現場が長引いても日数で精算されるためリスクが小さい一方、早く終わらせても収入は増えません
  • 一式請け — 見積を出して工事一式で請ける形。段取りと生産性で利益を伸ばせますが、見積漏れや想定外の追加は自社負担になるリスクがあります

実務としては、取引の初期は手間請けで相手の現場の質を見極め、勝手がわかってから一式請けを混ぜていくのが堅実です。マルセイテックでも手間請け/一式請けのどちらもご相談に応じています。

交渉の順番 — 単価そのものは最後に持ってくる

いきなり「単価を上げてほしい」と切り出しても、たいてい平行線になります。先に動かせるものから順に交渉するのが定石です。

  1. 材料の扱いを明確にする — 支給範囲を広げてもらう、または材料費を別建てにする。これは元請け側も応じやすい項目です
  2. 追加工事のルールを決める — 「想定外が出たら一度連絡し、その場で追加として処理する」と合意するだけで、飲み込みが止まります
  3. 現場の集中をお願いする — 同日に近い現場をまとめてもらえれば、単価が同じでも実質の手残りが増えます
  4. 対応範囲を広げて優遇を引き出す — 「この会社に投げれば現場が終わる」状態を作ると、単価の話に応じてもらいやすくなります
  5. 最後に単価そのもの — ①〜④の実績が積み上がってから出すと、通る確率が上がります

単価より先に効く「実務の3つの工夫」

  1. 手戻りゼロと施工写真 — 施工中・施工後の写真を撮って報告する習慣は、元請けのお客様報告にそのまま使えるため重宝されます。不具合を出さない会社は、多少単価が高くても指名され続けます
  2. 返答の速さ — 元請けはお客様に日程を返さなければなりません。「明後日は動けます」が早く返ってくる会社に案件は集まります
  3. 繁忙期に動けること — 依頼が集中する時期に稼働を厚くできる会社は、閑散期にも優先して案件を回してもらえます。年間トータルで見ると、これが単価交渉より効きます

取引先を変えるという選択肢

ここまでやっても単価が動かない場合、相手が動かせない構造にいる可能性があります。二次・三次の位置にいる会社は、自分たちも上から絞られているため、下に配分する余地がありません。

その場合に効くのは、元請けと直接取引する経路を1本作ることです。自社集客を持つリフォーム会社・工務店は、中間マージンがない分だけ条件を出せる余地があります。既存の取引を切る必要はありません。1本足すだけで、交渉の選択肢が生まれます。

マルセイテックは神奈川県央・湘南エリアの元請けとして、電気工事の協力業者を日当20,000〜25,000円(経験・工事内容による)、手間請け/一式請けどちらでも募集しています。第一種電気工事士・施工管理技士は優遇します。詳しくは電気工事職人の募集ページをご覧ください。

よくある質問

Q. 電気工事の下請け単価はどのくらいが目安ですか?

工事内容・取引構造・地域によって幅が大きく、一律の相場を示すのは困難です。マルセイテックでは手間請けの場合、経験・工事内容に応じて日当20,000〜25,000円を基準にお願いしています。第一種電気工事士・施工管理技士をお持ちの方は優遇します。一式請けの場合は案件ごとのお見積りです。

Q. 材料は元請け支給ですか、自社手配ですか?

案件によって異なります。どちらの形になるかは取引開始前の面談で明確にご説明します。材工の扱いが曖昧なまま始めると後から必ずもめるため、当社では最初に取り決める方針です。

Q. 追加工事が出たときはどう精算されますか?

当社では現場管理を社員が担当しているため、想定外の作業が発生した場合はまず社員にご連絡いただき、社員がお客様への説明と判断を行います。精算の考え方は面談時にご説明します。職人側に飲み込ませる運用はしていません。

Q. 手間請けと一式請けはどちらを選べますか?

どちらもご相談に応じます。取引の初期は手間請けでお互いの進め方を確認し、慣れてきたら一式請けを混ぜるという進め方も可能です。

Q. 既存の元請けとの取引を続けたまま、追加で取引できますか?

もちろん可能です。多くの協力業者様が複数の元請けと取引されています。御社の空き状況に合わせた発注の組み方をご相談できます。

まとめ — 単価は交渉より構造で決まる

電気工事の単価は、技能の差より取引構造の差で決まります。重層下請けの中で交渉を重ねるより、元請け直の経路を1本足すほうが、結果として手残りが増えることは少なくありません。

そのうえで、材料の扱い・追加工事のルール・現場の集中といった単価以外の条件を先に整えるのが交渉の順番です。単価そのものは最後に持ってくるほど通りやすくなります。

マルセイテックの条件は電気工事職人の募集ページに掲載しています。お電話(046-260-1101)でのご相談も歓迎です。

→ 協力業者募集の詳細は 電気工事職人ページ へ / お電話は 046-260-1101(「協力業者の件」とお伝えください)